サーフィンの醍醐味を感じたいなら、ボトムターンは欠かせない技術です。ボトムターンとは、波の底から上へと向かう際に行うターンのことで、これが上手くいくかどうかが、サーフィンの楽しさを大きく左右します。

特に、ミッドレングスサーフボードを使う中級サーファーにとっては、この技術がサーフィンの質を高める鍵となります。

しかし、多くのサーファーがこのボトムターンのコツをつかむのに苦労しています。

この記事では、ボトムターンを成功させるための基本的なステップとミッドレングスボードを活かすコツを分かりやすく解説します。ボトムターンの正しいやり方を身につけ、サーフィンの技術を次のレベルへと引き上げましょう。

1. ボトムターンとは何か?

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ボトムターンとは、サーフィンに適した波の底面から、波の斜面を駆け上がりトップに向かうターンのことを言います。

サーフィンには、波のトップとボトムを行ったり来たりしながら、ライディングを行うため、ボトムターンは全てのテクニックの基本とも言われています。

2. ボトムターンの基本ステップ

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  1. テイクオフ後に波の底面に降りること
  2. 底面の波のパワーをサーフボードが受ける
  3. サーフボードを傾ける

ボトムターンの基本ステップは上記の通りです。波の底面に降りきり、底面が波を持ち上げるパワーをサーフボードが受け、底面でサーフボードを傾けることで、サーファーはターンができるようになります。

2.1 体の位置と姿勢

体の位置はサーフボードの真ん中にいる必要があります。しかし、体の位置を正しい位置でボトムターンするのは非常に高度な体のコントロールが必要になります。

最も簡単なボトムターンの姿勢は、ニュートラルポジションの姿勢から、フロント側の肘を、後ろ足の膝に近づけることです。

この姿勢を保つことで、サーフボードは自然と傾き、ボトムターンができるようになります。

注意点として、水面を手で触るのはNGです。理由としては、水面のどの位置を、どの姿勢で触るのかが明確でないため、サーフボードを傾け過ぎたり、体を傾け過ぎたりして、一般サーファーには体現できないからです。

参考記事:苦手なバックサイドを得意に変えるコツ

2.2 波の読み方

ボトムターンを成功させるためには、波を読む力も重要です。そもそも波が小さくて、波の底面にパワーが生まれていない場合もあります。

その場合は無理にボトムに降りるよりも、波のトップ付近の位置でサーフボードをコントロールする方が良い場合もあります。

重要なことは、波に合わせて波のパワーゾーンをしっかり使うことです。

参考記事:パワーゾーンについて

3. ミッドレングスの特性

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写真で使用しているサーフボードは nanazero サーフボード ミッドレングス MID01 6'4" を使用しています。

サーフボードにはさまざまなジャンルがありますが、ショートボードでも、ロングボードでもない長さのサーフボードを「ミッドレングス」と呼んでいます。

定義は曖昧ですが、世界中で愛されているサーフボードがミッドレングスです。

ショートボードはサーフボードの長さが短く、幅も細く、レールも薄いため非常にコントロール性が高く、ボトムターンも鋭利なターンが可能です。

ロングボードはサーフボードが長く、幅も太く、レールも厚いため、コントロール性能は高くなく、ボトムターンは大きくゆっくりとしたターンになります。

ミッドレングスは、その両方の間を取った特性を持っていて、一般サーファーがボトムターンの基礎を覚えるには非常に適しています。

4. ボトムターンのコツとテクニック

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  1. レベルに適したサーフボードを使うこと
  2. 波のパワーゾーンを理解すること
  3. 傾ける、屈伸する、捻るのサーフィンの基本を練習すること

ボトムターンで重要なことは、自分のレベルに適したサーフボードを使うことです。ミッドレングスは波キャッチが速く、コントロール性もあるので、一般サーファーのテイクオフからボトムターンの練習には最適です。

次に、波のパワーゾーンを理解すること。意外にもサーフィン上級者と言われるヒトたちも波のパワーゾーンを正しく理解できている人は多くありません。

サーフィンの基本動作は「傾ける」「屈伸する」「ひねる」の3要素です。これは他のスポーツでも同じだと言われています。

ボトムターンはサーフィンのニュートラルポジションで、3つの基本動作を行うことで成功します。

4.1 レベルに適したサーフボード

何よりも大切なことは、自分のレベルに適したサーフボードを選ぶことです。実はボトムターンは使うサーフボードによってコツは変わってきます。

最もボトムターンの基本を練習しやすいのは、レール幅が厚いサーフボードです。

レールの厚みが薄いショートボードでは、基本ができていなくてもターンができてしまうので、正しいボトムターンを身につけることは難しくなります。

かといって、ロングボードだと体重移動でボトムターンをするのが困難ですので、サーフィンの基本動作の動きを身につけるには難しいです。

自分の身長や体重、レベルに合わせて、波キャッチが速く、ターンのコントロール性能もあるミッドレングスを選ぶようにしましょう。

4.2 波のパワーゾーンを理解する

波のパワーゾーンについては前述しましたが、サーフィンに適した波の最もパワーのある場所が波の底面、つまり「ボトム」にあります。

この最もパワーのあるボトムを使うことで、サーファーは重力に逆らって、波のトップに登ることができます。

トップは重力の力が働くので、その重力の力を使って、また波の底面のパワーゾーンに戻ることができます。

このボトムとトップを行ったり来たりすることで、サーフボードはスピードを失わずにサーファーはライディングを続けることができます。

4.3 サーフィンの基本動作

サーフィンの基本動作は3つの要素しかありません。ボトムターンで意識することは「傾ける」ことです。

膝を曲げる、水面を触る、重心を落とす...のような経験値による上達方法は、人それぞれで解釈が違うので参考にはできません。

自転車で例えると、膝を曲げたり伸ばしたり、地面を触ったり、重心を落としたりしても曲がらないですよね。

自転車は曲がりたい方向にハンドルを切り、切ったハンドルに連動しているタイヤが進行方向に傾くことで曲がっていきます。

サーフィンも同じです。大事なことはサーフボードを傾けること。サーフボードを傾ければ、レールが入り、サーフボードは曲がっていきます。

5. よくある間違いとその修正方法

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  1. 水面を触る
  2. ボトムターンで加速する
  3. 膝を曲げて重心を低くする

よくある間違いは無数にありますが、上記3つは誰でも聞いたことのあるボトムターンのやり方だと思います。

しつこいほど書いていますが、まず水面は触ろうとしなくて大丈夫です。上手い人は触ろうとして触ってるのではなく、触る位置にあるから触ってるだけです。

水面を触ることで生まれるデメリットは、まず視線が水面にいってしまうこと。それにより体が水面側に倒れようとするので、サーフボードが過度に倒れてしまい、そのままバランスを崩して倒れます。

ボトムターンは水面ではなく進行方向の波のトップを見ることが大切です。

そして、ボトムターンで加速するというのも勘違いです。ボトムターンをすると回転半径が小さくなるので、ヒトは加速したように感じますが、実は失速しています。これは重力が関係しているので、人間の力では重力に勝てません。自転車でもスピードを出している時に急激に曲がると加速感を感じますが、曲がり切った後は必ず失速しています。ボトムターンで加速することは物理的に不可能ということを理解しましょう。

ボトムターンは加速するものではなく、波のトップに向かうものだと覚えておきましょう。

膝を曲げて、重心を低くする意味についても、自転車の例えで前述しました。基本動作の「傾ける」ことを意識すれば大丈夫です。

6. 練習方法と練習ドリル

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実は1回のサーフィンでライディングの練習ができる時間は3分にも満たないと言われています。

理由としては、1本の波に乗れても10秒も乗っていないことがほとんどだからです。

仮に1本の波を10秒乗って、1回のサーフィンで18回の波をキャッチしたとしても3分です。

一般サーファーの現実では1回のサーフィンで10回も乗れば「たくさん乗った」という満足感を得られます。

つまり、海でいくらサーフィンの練習をしようとしても、1分〜3分の練習しかできないというのが現実です。

なのでボトムターンを身につけるためには、まずは練習方法を考える必要があります。

そして、ボトムターンの練習に最適な方法は「サーフスケート」を使うことです。

サーフスケートはサーフィンの反復練習を行うのに最も適した道具です。サーフスケート使うことによって、サーフィンは反復練習ができるようになります。

7. まとめと次のステップ

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サーフィンのボトムターンは、波上でのパフォーマンスを向上させるための重要な技術です。この記事では、ボトムターンの基礎から応用までを分かりやすく解説しました。特にミッドレングスボードを使用することで、初心者から中級者まで幅広いレベルのサーファーがボトムターンの技術を磨くことができます。

サーフィンの上達は練習あるのみです。サーフスケートを使った陸上での練習も大切ですが、実際の波での練習を積むことで、さらに上達を目指しましょう。次のステップとして、自分のレベルに合ったサーフボードを選び、波のパワーゾーンを意識しながらボトムターンの練習を重ねてください。サーフィンの楽しさを最大限に引き出すために、ボトムターンを完璧にマスターすることを目指しましょう!

8.サーフィンのハウツーをまとめた記事はコチラ

記事を書いたヒト

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ヒガシーサー(@higashisacom)サーフィン歴20年。独学で上達しなかった経験から、科学的メソッドに基づいて練習する方法を実践。たった3ヶ月で上達できた方法を一般サーファー向けに分かりやすく解説している。Instagram フォロワー数 34,000人、YouTube チャンネル登録者数 16,000人。個人ブログ:pocketsurf.jp
11月 25, 2023